WEB絵本『ブーニーさんの野菜工場とかぼちゃのプール』

  • WEB絵本『ブーニーさんの野菜工場とかぼちゃのプール』1/6 【1】
    とことことこ……。畑をたがやすトラクターのけいかいな音が聞こえてきます。

    ここは、ピギーさんと、そのおくさんのマブさんの農場。
    この、両手いっぱいに野菜をかかえているのは、ブーニーさんです。
    「ああ、今日もいっぱいうんまそうな野菜がとれた!このうんまそうな野菜を見てると、はらぺこになってきちゃうなあ。おなかがぐうっとなりそうだ!」

    すると、

    「おにいさーん!そろそろおひるごはんにしましょうよ!」

    ちょうどタイミングよく、マブさんがブーニーさんにこえをかけました。そう、ブーニーさんは、マブさんのおにいさんなのです。

    ブーニーさんは、ピギーさんの家族といっしょに、まいにち農場ではたらいています。そして、カボチャやトマト、にんじんにほうれん草など、いろんな野菜を作っています。

    ブーニーさんはとてもはたらきもので力持ち、しかも野菜づくりの名人だったので、ピギーさんの畑は大豊作!大きくて味もいい、栄養まんてんの野菜がいっぱいいっぱいとれました。
  • WEB絵本『ブーニーさんの野菜工場とかぼちゃのプール』2/6 【2】
    野菜がいっぱいとれたので、ブーニーさんは、その野菜を使って、もっといろんなものを作りたいと思いました。

    「こどもも、大人も、野菜ぎらいも野菜大好きも、みんながよろこぶ、もっとうんまいものが作れないかな?」

    そこで、ブーニーさんは、発明が得意なストーブさんにそうだんすることにしました。

    「野菜を使ってもっとうんまいものが作りたいんだけど、ちょっと力をかしてくれないかい?そしたら、うちのうんまい野菜を食べたいだけ食べさせてあげるから」

    それを聞いたストーブさん。どん、とひとつ胸をたたいてこう言いました。

    「そういうことならまかせとけ!ぼくが、最高にすてきな野菜工場を作ってやろう!」

    そして数ヶ月後。ピギーさんの畑のそばに、ブーニーさんの野菜工場ができあがりました。

    真っ赤なトマトのジュース、きれいなだいだい色のにんじんクッキー、ふんわりいい香りのほうれん草ケーキ、そして、ぷるぷるあま〜いかぼちゃプリン。

    ブーニーさんの栄養まんてんの野菜で作ったものは、どれも最高の味で、たちまち大人気になりました。
  • WEB絵本『ブーニーさんの野菜工場とかぼちゃのプール』3/6 【3】
    工場の製品が大人気になったので、ブーニーさんは、いっそういっしょうけんめいはたらくようになりました。

    もっと もっと 大きくなあれ
    もっと もっと うんまくなあれ
    村じゅう みんなが はらぺこだ!

    そんな歌を歌いながら、毎日毎日野菜を育て、それをたくさん収穫しては、工場に持って行って、ジュースやおかしを作りました。

    そんなある日のこと。
    いつものように畑にやってきたブーニーさんは、かぼちゃ畑を見てびっくりしました。そこには、ブーニーさんが今までに見たこともないような、大きな大きなかぼちゃができていたのです!

    「わあっ!こりゃあ、なんて大きなかぼちゃなんだ!そんでもって…なんてうんまそうなかぼちゃなんだ!!!」

    ブーニーさんのおなかが、ぐうっと音をたてました。
  • WEB絵本『ブーニーさんの野菜工場とかぼちゃのプール』4/6 【4】
    「これだけあったら、100人ぶんのかぼちゃクッキーと、100人ぶんのかぼちゃケーキと、100人ぶんのかぼちゃプリンが作れるぞ!よし、村じゅうのこどもたちを招待して、かぼちゃパーティをひらこう!」

    ブーニーさんが、ピギーさん一家の力をかりてようやく工場までかぼちゃをはこぶと、たちまち村のみんなが集まってきました。

    そして、みんなでかぼちゃを割って、大きなスプーンで中味をくりぬき、歌を歌いながら、みんなでかぼちゃを工場の中へはこびこみました。

    もっと もっと 大きくなあれ
    もっと もっと うんまくなあれ
    村じゅう みんなが はらぺこだ!

    かぼちゃのあま〜いにおいが村じゅうにただよって、村じゅうのみんなのおなかがぐうっとなりました。

    そしてとうとう、100人ぶんのかぼちゃクッキーと、100人ぶんのかぼちゃケーキと、100人ぶんのかぼちゃプリンが完成。

    「いただきまーす!」

    みんなでいっせいに食べはじめました。
  • WEB絵本『ブーニーさんの野菜工場とかぼちゃのプール』5/6 【5】
    「ああ、うんまかった!まんぷく、まんぷく!」

    100人ぶんのかぼちゃクッキーと、100人ぶんのかぼちゃケーキと、100人ぶんのかぼちゃプリンをたべて、ブーニーさんも、みんなも、おなかがいっぱいになりました。もう、おなかがぐうっとなっている人は、だれもいません。

    「でも、この“から”はどうしよう?」

    目の前には、半分に切られて、中身をくり抜かれた、大きな大きなかぼちゃの“から”がのこされていました。

    「もう食べるところはのこってないし…でもすてちゃうのももったいないし…」

    ブーニーさんがなやんでいると、いっぴきの子ブタが、ブーニーさんに話しかけました。

    「ねえ、おなかがいっぱいになったから、今度は遊びたいな!このへんに、どこか遊べる場所はないの?」

    それを聞いて、ブーニーさんはひらめきました。

    「そうだ!いいこと思いついた!」
  • WEB絵本『ブーニーさんの野菜工場とかぼちゃのプール』6/6 【6】
    ブーニーさんが作ったのは、かぼちゃの“から”でできた「かぼちゃプール」でした。
    そしてもう半分は、入口をきりぬいて、こどもがはいって遊べる「かぼちゃかまくら」にしました。

    おなかいっぱいたべて、プールやかまくらでちからいっぱい遊んで、こどもたちはみんな大満足。

    「われながら、うんまいアイディアだったな!よーし、明日からも、いっぱいいっぱい、うんまい野菜を作るぞお!」

    ブーニーさんも、満足そうにほほえみました。


    おしまい
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